こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/28/2020に、予告通りSambaの複数の脆弱性情報(Medium: CVE-2020-10700, High: CVE-2020-10704)と修正バージョン(4.12.2, 4.11.8, 4.10.15)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去関連リンク(最新5件)]
Sambaの脆弱性情報(CVE-2019-14902, CVE-2019-14907, CVE-2019-19344 )と修正バージョン(4.11.5, 4.10.12, 4.9.18)
Sambaの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-14861, CVE-2019-14870)と修正バージョン(4.11.3, 4.10.11, 4.9.17)
Sambaの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-10218, CVE-2019-14833, CVE-2019-14847)と修正バージョン(4.11.2, 4.10.10, 4.9.15)
Sambaの脆弱性情報(High: CVE-2019-10197)
Sambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-12435, CVE-2020-10704)と修正バージョン(4.10.5, 4.9.9)
Sambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-16860)と修正バージョン(4.10.3, 4.9.8, 4.8.12)
Sambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3870, CVE-2019-3880)と修正バージョン(4.10.2, 4.9.6, 4.8.11)
CVSS/プライオリティ
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS3 Base Score | CVSS3 Basic Metrics |
---|---|---|---|---|---|
CVE-2020-10700 | 4.10.0以降の全てのバージョンのSamba | https://www.samba.org/samba/security/CVE-2020-10700.html< /p> | Vendor: Moderate/Medium | Vendor: 5.3 | Vendor: CVSS:3.1:AV:N/AC:H/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:H (5.3) |
CVE-2020-10704 | 4.0以降の全てのバージョンのSamba | https://www.samba.org/samba/security/CVE-2020-10704.html< /p> | Vendor: Important | Vendor: 7.5 | Vendor: CVSSv3.1: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H (7.5) |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2020-10700
- Samba AD DC LDAPサーバのuse-after-freeの可能性
- 重要度 – Medium
- 影響を受けるバージョン: Samba 4.10.0以降
- ‘ASQ’と’Paged Results’を組み合わせたクライアントのLDAPコントロールがSamba AD DC LDAPサーバにuse-after-freeを発生させる可能性があります。
- CVE-2020-10704
- 深くネストされたLDAPサーチによるSIGSEGV
- 重要度 – High
- 影響を受けるバージョン: Samba 4.0以降
- 深くネストされた非認証のLDAサーチがLDAPサーバのスタックメモリを消費させSIGSEGVを発生させる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-10700.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-10704.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。