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こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/24/2020にLinux Kernelに複数の脆弱性(Moderate: CVE-2020-15436, CVE-2020-15437)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux KernelにDoSの脆弱性(Moderate: CVE-2020-28941)
Linux Kernel (Red Hatのみ) のBluetoothでDoSまたは任意のコード実行の脆弱性(Important: CVE-2020-25661, CVE-2020-25662)
Linux Kernelのfbconでslab境界外読み込みの脆弱性(CVE-2020-28974)
Linux Kernelのfbconでのバッファオーバー読み込みの脆弱性(Moderate: CVE-2020-28915)
Linux Kernelのvt(virtual console)での脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-25668)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-15436 | Linux Kernel < 5.8 | [PATCH v4] block: Fix use-after-free in blkdev_get() | Red Hat: 6.7 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
CVE-2020-15437 | Linux Kernel < 5.8 | [PATCH] serial: 8250: fix null-ptr-deref in serial8250_start_tx() | Red Hat: 6.7 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-15436
- DoSまたは権限昇格の脆弱性
- 5.8より前のLinux Kernelでは、fs/block_dev.c中にUse-after-freeの脆弱性があり、特定のerrorフィールドに不正なアクセスをすることでローカルユーザが特権を取得したりDoSを仕掛けることができる可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-15437
- DoSの脆弱性
- 5.8より前のLinux Kernelでは、drivers/tty/serial/8250/8250_core.c中のserial8250_isa_init_ports() にNULLポインタ被参照の問題があり、ローカルユーザが初期化されていない p->serial_in pointerを使用することでDoSを引き起こす事ができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-15436.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-15437.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Issue 2045: Linux: CoW can wrongly grant write access (because of pinned references or THP bug)
Issue 2056: Linux >=4.20: expand_downwards() can race with munmap() page table freeing
Issue 2022: Linux: SLUB bulk alloc slowpath omits required TID increment
Issue 2029: Linux 5.6: IORING_OP_MADVISE races with coredumping
Issue 2011: Linux >=5.3: io_uring: insecure handling of root directory for path lookups
Issue 2045: Linux: CoW can wrongly grant write access (because of pinned references or THP bug)
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