こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/09/2020にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2020-25704)が公開されていました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2020-25656)
Linux KernelにDoSの脆弱性(Moderate: CVE-2020-28941)
Linux Kernel (Red Hatのみ) のBluetoothでDoSまたは任意のコード実行の脆弱性(Important: CVE-2020-25661, CVE-2020-25662)
Linux Kernelのfbconでslab境界外読み込みの脆弱性(CVE-2020-28974)
Linux Kernelのfbconでのバッファオーバー読み込みの脆弱性(Moderate: CVE-2020-28915)
Linux Kernelのvt(virtual console)での脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-25668)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-25704 | Linux Kernel <= 5.9 | [CVE-2020-25704] Linux kernel: perf_event_parse_addr_filter memory | Red Hat: 6.2 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-25704
- 境界外メモリへの読み込みアクセスの可能性
- Linux Kernelのパフォーマンス監視サブシステムでPERF_EVENT_IOC_SET_FILTERを使用している場合にメモリリークの問題が発見されました。ローカルのユーザはこの脆弱性を利用してDoSを引き起こすリソース枯渇を実施できる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。