こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
12/07/2020にマルチテナントクラスタに影響するKubernetesのMan-In-the-Middle 脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-8554)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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Kubernetesの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-8557, CVE-2020-8558, CVE-2020-8559)
Kubernetes(kube-controller-manager)の脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-8555)
Kubernetes(kube-apiserver) の脆弱性情報(CVE-2019-11254)
Kubernetes の脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-8551, CVE-2020-8552)
Kubernetes(kubectl)の脆弱性情報(Medium: CVE-2019-11251)と新バージョン(v1.16.0 / 1.15.4 / 1.14.7/ 1.13.11)
Kubernetes CSI sidecarの脆弱性情報(Medium/Moderate: CVE-2019-11255)
kube-state-metricsの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-10223)
kubernetesの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-11248)
kubernetesの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-11247, CVE-2019-11249)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-8554 | All | Vendor: MEDIUM | Vendor: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L |
緩和方法
- 現在の所Patchが無いため、下記のいずれかの方法でアクセスに制限を掛けることで脆弱性を緩和して下さい。
- external IPに制限を掛けるためにadmission webhookコンテナを利用します。ソースコードはhttps://github.com/kubernetes-sigs/externalip-webhookにあります。
- OPA Gatekeeperを用いてexternal IPに制限を掛ける。サンプルのConstraintTenplateとConstraintはhttps://github.com/open-policy-agent/gatekeeper-library/tree/master/library/general/externalipで見る事が出来ます。
- ユーザーにパッチサービス/ステータス権限を付与することはお勧めしないため、LoadBalancerIPの緩和策は提供されていません。
詳しくは、各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8554
- Man In the Middleの可能性
- ポッドやサービスを作成・編集できる攻撃者は、クラスタ内のその他のポッドのトラフィックに対してMan In the Middle攻撃を仕掛けることが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。