こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/20/2021にcontainerdの脆弱性(Moderate: CVE-2021-32760)と新バージョン(v1.4.8, v1.5.4)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-32760 | containerd <=1.4.7,1.5.0,1.5.1,1.5.2,1.5.3 | Archive package allows chmod of file outside of unpack target directory | Vendor: Moderate |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-32760
- containerd-shim APIによるホストネットワークコンテナの露出
- 該当バージョンのcontainerdでは、特別に細工されたコンテナイメージをPullして展開する際にバグがあり、ホストのファイルシステムに存在しているファイルのUnixパーミッションを変更してしまうことが出来ました。ファイルパーミッションの変更によりファイル所有者のアクセスが拒否されたり、setuid, setgid, sticyビットなどが設定される可能性があります。このバグにより直接的にファイルの読み込み、変更、実行のようなことは生じません。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
CM
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