こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/02/2018にWine 3.7の脆弱性 (CVE-2018-12932 , CVE-2018-12933 )が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12932
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12933
Priority
Moderate(CVE-2018-12932, CVE-2018-12933)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12932
DoS(ヒープベースバッファーオーバーフロー)の可能性
重要度 – Moderate
Wine 3.7のenhmetafile.c中のPlayEnhMetaFileRecord()に問題が有り、攻撃者がpCreatePen->ihPen array インデックスをコントロールすることによりDoS(境界外書き込み)を発生させる事が出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12933
DoS(境界外書き込み)の可能性
重要度 – Moderate
Wine 3.7のenhmetafile.c中のPlayEnhMetaFileRecord()に問題が有り、攻撃者がpCreatePen->ihPen array インデックスをコントロールすることによりDoS(境界外書き込み)を発生させる事が出来る可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12932.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-12933.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
[参考]
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12932
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-12933
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
セミナー情報
2018年07月13日 (金) 19:00から、「OSSセキュリティ技術の会 第三回勉強会 (副題:”Keycloak”で、”認証王”に!!!おれはなるっ!!!!)」 と題しまして、OSS認証基盤のKeycloakに特化した話をさせて頂きます。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/90917/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。