こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/18/2018にApache及びモジュールの複数の脆弱性情報(CVE-2018-1333, CVE-2018-8011)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate (CVE-2018-8011) / Low (1333)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1333
細工されたリクエストを用いたHTTP/2接続によるDoS
重要度 – Low
影響するバージョン – httpd 2.4.33, 2.4.30, 2.4.29, 2.4.28, 2.4.27, 2.4.26, 2.4.25, 2.4.23, 2.4.20, 2.4.1
特別に細工されたリクエストにより、60秒以上workerがアロケートされた状態となり資源を枯渇させられてDoSになります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-8011
mod_mdでの、特別に細工されたリクエストの結果のCoredumpによるDoS
重要度 – Moderate
影響するバージョン – httpd 2.4.33
特別に細工されたHTTPリクエストにより、mod_mdチャレンジハンドラがNULLポインタディリファレンスとなり子プロセスがsegfaultとなります。これにより、サーバ上でDoSが発生します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1333.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-8011.html
SUSE/OpenSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 1
2018年10月22日から10月25日のCSS(Computer Security Symposium)2018で、「OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2018特別セッション」 と題しまして、OSSセキュリティ技術の会後援で特別セッションを開催します。
https://www.iwsec.org/ows/2018/index.htmlにプログラム内容と一般論文申し込みの詳細を載せていきますので、是非御確認下さい(ページは更新中です)。
セミナー情報 2
2018年8月6日に「OSSセキュリティ技術の会 座談会(第一回)」を開催します。OSSセキュリティ技術の会では、講演形式の勉強会シリーズを行っていますが、今回は新たな試みとして座談会形式の会合を行います。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/92782/にプログラム内容と申し込みの詳細を載せていますので、是非御参加下さい。