Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2018-1065, CVE-2018-1066) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2018-1065, CVE-2018-1066)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/02/2018にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2018-1065, CVE-2018-1066)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1065
netfilterサブシステムでのローカルユーザによるDoS(double free)の可能性
重要度 – Moderate
4.15.7より前のLinux Kernelのnetfilterサブシステムでは、jumpを含むが宛先が定義されていないrule blobの処理に問題があり(net/ipv4/netfilter/arp_tables.c中のarpt_do_table、net/ipv4/netfilter/ip_tables.c中のipt_do_table、net/ipv6/netfilter/ip6_tables.c中のip6t_do_tableが関係しています)、ローカルユーザがCAP_NET_RAWやCAP_NET_ADMINを利用してDoS(NULLポインタディリファレンス)を引き起こすことが可能です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1066
netfilterサブシステムでのローカルユーザによるDoS(double free)の可能性
重要度 – Moderate
4.11より前のLinux Kernelでは、fs/cifs/cifsencrypt.c中のsetup_ntlmv2_rsp()関数にNULLポインタディリファレンスの問題があり、攻撃者がCIFSサーバを通してこのCIFサーバをマウントしているクライアントに対してカーネルパニックを引き起こすことが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1065.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1066.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1065
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1066
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