VMware Modified Enhanced SCAP Content Editorについて
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
今回は、VMWare Fling Projectから7月にリリースされた、「 VMware Modified Enhanced SCAP Content Editor」について見てみます。
VMWare Fling Project
VMWare Fling ProjectではここにあるようにVMWare社のエンジニアの空き時間で開発され、サポートはありませんが完全にフリーのソフトウェアを提供しています。
このProjectの中で、VMware Modified Enhanced SCAP Content Editor(VMWare SCAP Edit)も開発・提供がされています。
VMWare SCAP Editについて
VMware Modified Enhanced SCAP Content Editor(VMWare SCAP Edit)は、元々「G2」が出していた「eSCAPe CONTENT EDITOR」を改良したものになります。
この改良の中で、特にOVAL 5.11のサポートと、OVALからのXCCDF 1.2 の生成をサポートするようになりました。また、GUIがより新しめのものになっています。
OVALについて
OVAL(Open Vulnerability and Assessment Language)は、コンピュータのセキュリティ設定状態を検査するための仕様になります。最新のバージョンは5.11.1になります。
OVALに関しての詳しい情報は、本家MITREのサイトにまとまっていますので、最新のものはこちらを確認して下さい。
また、日本語の情報はIPAのサイトにまとまっていますので、こちらも参照して下さい。
XCCDFについて
XCCDFは、SCAPの構成要素の一つで、セキュリティ設定チェックリストを記述するための仕様になります。最新のバージョンは1.2にになります。
XCCDFに関しての詳しい情報は、NISTのサイトにまとまっていますので、最新のものはこちらを確認して下さい。
また、日本語の情報はIPAのサイトにまとまっていますので、こちらも参照して下さい。
ダウンロードとインストール
VMWare SCAP EditはこちらのVMWare Flingsのサイトからダウンロードできます。
ダウンロード先とインストール方法は、こちらの「Instruction」のタグからリンクされているgithubのサイトで見ることが出来ます。
動作環境の前提条件は、
JRE 1.8以上
1GB以上のメモリ
WindowsまたはLinux
となります。筆者のDebian (stretch) の環境でも動作しました。
ダウンロードするものですが、自分でコンパイルしたい場合にはgithubから、コンパイル済みのものを使用する場合には「distributable」からzipファイル(VMware SCAP Edit 1.0.0.zip)をダウンロードします。基本的に、特に理由がなければコンパイル済みのものをダウンロードしたほうが早いと思います(コンパイルするための環境が必要になるため)。
実行と確認
「distributable」からダウンロードした「VMware SCAP Edit 1.0.0.zip」を展開します。
sios@localhost:~/work/SCAP$ unzip ~/src/VMWare/SCAP/VMware\ SCAP\ Edit\ 1.0.0.zip Archive: /home/sios/src/VMWare/SCAP/VMware SCAP Edit 1.0.0.zip creating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/ inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/apache-log4j-extras-1.2.17.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/commons-cli-1.3.1.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/commons-io-2.5.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/eSCAPe-1.0.0.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/eSCAPeLib-1.2.2.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/jcalendar-1.4.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/jdom-1.1.3.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/log4j-1.2.17.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/serializer-2.7.1.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/swingx-core-1.6.2-2.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/lib/xalan-2.7.1.jar inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/startEditor.bat inflating: VMware SCAP Edit 1.0.0/startEditor.sh
展開したディレクトリ(VMware SCAP Edit 1.0.0)内の”startEditor.sh(Windowsの場合にはstartEditor.bat)を実行します。
ka-omo@tornado:~/work/SCAP$ cd VMware\ SCAP\ Edit\ 1.0.0/ ka-omo@tornado:~/work/SCAP/VMware SCAP Edit 1.0.0$ ls lib startEditor.bat startEditor.sh ka-omo@tornado:~/work/SCAP/VMware SCAP Edit 1.0.0$ sh ./startEditor.sh
下記のような画面が表示されます。
新しいOVAL定義を作成するときは、”File”->”New OVAL”を選択します。
下記のような画面が表示されます。Nextを押します。
下記のような画面が表示されます。Platformタイプを選びます。試しにlinuxを選択し、Nextを押します。
OVALファイルのファイル名を入力します。test-cpe-oval.xmlとしてFinishを押します。
雛形が作成されます。
追加する際には右クリックして「Add XX」を選択します。定義を追加するにはDefinitionsの所で右クリックします。
OVALベース識別子を入力します。
まとめ
このVMWare SCAP Editを使うことで、OVALやXCCDFの開発環境が楽に構築できます。
実際の開発に関しては、こちらのEditorのPDFを参照してください。実際には、このPDFにも書いてある通り、SCAP/OVAL/XCCDFのスキーマを詳しく調べてから使いましょう。
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