glibcにStack Guard Page迂回の脆弱性(CVE-2017-1000366)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
06/19/2017に、glibcにStack Guard Page迂回の脆弱性が公開されました(CVE-2017-1000366)。もう一つのkernelの脆弱性(CVE-2017-1000364)と合わせて、Red Hatで「Stack Guard Page Circumvention Affecting Multiple Packages」として特設サイトが設けられています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
関連CVE
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-1000366
重要度 – Important
2.25以前のバージョンのglibcには、ユーザ空間バイナリのスタックがメモリに割り当てられている方法に問題がありました。ヒープ(または異なるメモリ領域)とスタックメモリ領域が隣接している場合、攻撃者はこの欠陥を使用してスタックガードページの制御を迂回し、プロセススタックまたは隣接メモリ領域のメモリ破損を意図的に起こし、システム上での権限を増やすことが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-1000366
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-1000366.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションやOSの再起動が発生する場合には、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.qualys.com/2017/06/19/stack-clash/stack-clash.txt
https://access.redhat.com/security/vulnerabilities/stackguard
セミナー情報
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