Linux Kernelの脆弱性(CVE-2018-8781) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2018-8781)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/24/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2018-8781)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-8781
Kernel空間でのコード実行の可能性
重要度 – Important
3.4から4.15までのLinux Kernelの、drivers/gpu/drm/udl/udl_fb.c中のudl_fb_mmap()関数では、整数オーバーフローの問題があります。これを利用して、udldrmfbドライバにアクセスできるローカルのユーザはKernelの物理ページを読み書きすることが出来、結果としてKernel空間でコードを実行することが可能です。
この部分の修正は
diff --git a/drivers/gpu/drm/udl/udl_fb.c b/drivers/gpu/drm/udl/udl_fb.c index b5b335c9b2bb..2ebdc6d5a76e 100644 --- a/drivers/gpu/drm/udl/udl_fb.c +++ b/drivers/gpu/drm/udl/udl_fb.c @@ -159,10 +159,15 @@ static int udl_fb_mmap(struct fb_info *info, struct vm_area_struct *vma) { unsigned long start = vma->vm_start; unsigned long size = vma->vm_end - vma->vm_start; - unsigned long offset = vma->vm_pgoff << PAGE_SHIFT; + unsigned long offset; unsigned long page, pos; - if (offset + size > info->fix.smem_len) + if (vma->vm_pgoff > (~0UL >> PAGE_SHIFT)) + return -EINVAL; + + offset = vma->vm_pgoff << PAGE_SHIFT; + + if (offset > info->fix.smem_len || size > info->fix.smem_len - offset) return -EINVAL; pos = (unsigned long)info->fix.smem_start + offset;
となります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://patchwork.freedesktop.org/patch/211845/
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-8781
セキュリティ系連載案内
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