こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。10/31/2018にcurlの複数の脆弱性情報(Low: CVE-2018-16839, CVE-2018-16840, CVE-2018-16842)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。10/31/2018にcurlの複数の脆弱性情報(Low: CVE-2018-16839, CVE-2018-16840, CVE-2018-16842)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-16839
Low
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 4.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:L
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-16840
Low
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 4.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:L/A:N
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-16842
Low
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 4.4
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:L/I:N/A:L
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16839
- DoSの可能性
- 重要度 – Low
- 7.33.0から7.61.1までのCurlには、SASL認証コードにバッファーオーバーランの脆弱性があり、これによりDoSを引き起こされる可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16840
- use-after-freeの脆弱性
- 重要度 – Low
- 7.59.0から7.61.1までのCurlには、’easy’の処理中にヒープのuse-after-free問題があります。’Curl_close()’関数中の’easy’処理がクローズしてクリーンアップしている際に、ライブラリコードの構造体が最初に(ポインタをNullにせずに)freeになり、続いての構造体への書き込みがエラーになります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16842
- 情報の漏洩とDoSの可能性
- 重要度 – Low
- 7.14.1から7.61.1までのCurlには、tool_msg.c中のvoutf()関数にヒープベースのバッファーオーバーリードの問題があり、情報の漏洩とDoSを引き起こされる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-16839
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-16840
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-16842 - Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-16839
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-16840
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-16842 - Ubuntu
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-16839.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-16840.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-16842.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 1
2018/11/05 19:00に、「2018年秋のBPFまつり」と題しまして、OSSセキュリティ技術の会 第四回勉強会を行います。
今回のテーマはBPF(Berkeley Packet Filter)になります。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/103763/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。
セミナー情報 2
2018/11/14 17:00に、「NGINX MeetUp Tokyo #1」を行います。
今回はNGINX .conf 2018 現地参加者より最新情報を共有させて頂きます。
https://nginx-mj.connpass.com/event/103617/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。