こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/16/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-18955)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-18955
Medium/Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7.8
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/commit/?id=f1e255d60ae66a9f672ff9a207ee6cd8e33d2679
- https://bugzilla.suse.com/show_bug.cgi?id=1115593
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-18955
- アクセス制御バイパスの可能性
- 重要度 – Medium/Moderate
- 4.15.xから4.19.2までのLinux Kernelでは、kernel/user_namespace.c中のmap_write()関数が5 UID/GID以上のネストされたネームスペースの取扱を誤っていたため、権限昇格を許可していました。CAP_SYS_ADMINケーパビリティを問題のユーザネームスペースで持っているユーザは、これを利用してアクセス制御をバイパスしたり、ネームスペース外のリソースにアクセス(/etc/shadowを読み込むなど)することが可能です。これはID返還がnamespaced-to-kernelで正しく行われ体内がkernel-to-namespaced側では正しく行われている場合に発生します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-18955 - Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-18955 - Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-18955.html - SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-18955.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。