こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/21/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(Medium: CVE-2018-19406, CVE-2018-19407)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-19406
Medium
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 4.4
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-19407
Medium
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 5.5
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 4.4
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19406
- DoSの可能性
- 重要度 – Low
- 4.19.2までのLinux Kernelでは、arch/x86/kvm/lapic.c中のkvm_pv_send_ipi()関数に問題があり、細工されたシステムコールを使ってローカルのユーザがDoS(NULLポインタ非参照)を引き起こす事が出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19407
- use-after-freeの脆弱性
- 重要度 – Low
- 4.19.2までのLinux Kernelでは、arch/x86/kvm/x86.c中のvcpu_scan_ioapic()関数に問題があり、細工されたシステムコールを使ってローカルのユーザがDoS(NULLポインタ非参照とBUG)を引き起こす事が出来る可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-19406.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-19407.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。