Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-14646, CVE-2018-16862)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

11/26/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-14646, CVE-2018-16862)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

  • CVE-2018-14646

    Moderate

    • SuSE
    • Red Hat Customer Potal
      • CVSS v3 Base Score: 5.5
      • Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
    • NVD
  • CVE-2018-16862

    Moderate

    • SuSE
    • Red Hat Customer Potal
      • CVSS v3 Base Score: 5.3
      • Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:L/A:N
    • NVD

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-14646
    • ローカルユーザによるDoSの可能性
    • 重要度 – Moderate
    • 4.15-rc8までのLinux Kernelでは、net/netlink/af_netlink.c中の__netlink_ns_capable()関数にNULLポインタ非参照の脆弱性があります。ローカルの攻撃者はこれを用いて、netnsidによるnetnamespaceがアサインされた際にDoS(NULLポインタ非参照)を引き起こす事が出来る可能性があります。
    • コンテナを用いていない場合には影響度はModerateですが、信頼できないコンテナをOpenShift等で用いている場合には、影響度はImportantになります。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16862
    • 情報漏えいの脆弱性
    • 重要度 – Moderate
    • Linux Kernelに、cleancacheサブシステムが最終的にファイルが切り捨てられた際(削除)の後にinodeがクリアされるという、セキュリティ上の欠陥が見つかりました。同じinodeで作成された新しいファイルには、cleancacheの残りのpageと古いファイルデータが含まれる可能性があります。


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。

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