こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/30/2018にPerlの複数の脆弱性情報(Important: CVE-2018-18311 / Moderate: CVE-2018-18312 , CVE-2018-18314 , Low: CVE-2018-18313)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
Priority
- CVE-2018-18311
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 8.1
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-18312
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:H
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-18313
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 6.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-18314
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-18311
- バッファオーバーフローの可能性
- 重要度 – Important
- 5.8.0から5.28までのPerlで脆弱性が見つかりました。util.c中のPerl_my_setenv()関数に整数オーバーフローの問題があり、バッファオーバーフローを引き起こします。
- コンテナを用いていない場合には影響度はModerateですが、信頼できないコンテナをOpenShift等で用いている場合には、影響度はImportantになります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-18312
- ヒープベースバッファーオーバーフローの可能性
- 重要度 – Moderate
- 5.18から5.26までのPerlに問題があり、ヒープベースバッファーオーバーフローとreg_nodeの超過を引き起こします。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-18313
- ヒープベースバッファーオーバーフローによる情報漏えいの可能性
- 重要度 – Moderate
- 5.22から5.26までのPerlに問題があり、regcomp.c中でヒープバッファーオーバーフローを利用して情報を読み取られる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-18314
- ヒープベースバッファーオーバーフローの可能性
- 重要度 – Moderate
- 5.18から5.26までのPerlに問題があり、ヒープベースバッファーオーバーフローを引き起こします。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-18311
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-18312
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-18311
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-18312
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
[参考]
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報 2
2019/01/09 18:30-20:30で、「OSSライセンスMeetup Vol.1」を行います。
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