Ansibleに複数の脆弱性(CVE-2017-7466, CVE-2017-7473, CVE-2017-7481)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
06/28/2017にAnsibleに複数の脆弱性情報(CVE-2017-7466, CVE-2017-7473, CVE-2017-7481)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important/Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7466
- AnsibleクライアントによるAnsibleサーバでの任意のコード実行 
- 重要度 – Important 
- Ansible 2.2.3以前のバージョンでは、Ansibleのクライアントシステムからデータを送信する処理中で入力値検査の脆弱性がありました。Ansibleによって管理されているクライアントシステムを乗っ取った攻撃者がAnsibleサーバに不正な返信を行うことにより、Ansibleサーバで(Ansibleサーバプログラムの権限で)任意のコードを実行することが出来る可能性が有ります。 
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7473
- 機密情報取得の可能性 
- 重要度 – Moderate 
- Ansible 2.2.3以前のバージョンでは、コールバックプラグインとno_logディレクティブの相互作用で情報が漏洩してしまう可能性があります(情報の差にサニタイズが完全ではありませんでした)。 
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7481
- ローカルユーザによる権限昇格の可能性 
- 重要度 – Moderate 
- Ansibleにlookup-pluginの結果での「安全ではない」という結果を正しくマークしないことがあるという、入力値検査の欠陥が見つかりました。これにより、攻撃者はlookup()呼び出しの結果を制御して、jinja2テンプレートシステムによりパースされるUnicode文字列にインジェクションを行い、コードを実行することができる可能性が有ります。 
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian - https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-7473 
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS - https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-7473 
- Ubuntu - https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7466.html - https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7473.html - https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7481.html 
- SUSE/openSUSE - https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-7466.html 
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
 参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
講演内容募集案内
2017年10月21日-22日まで開催されるopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの講演内容募集(CFP)が始まりました。
https://news.opensuse.org/2017/07/07/opensuse-asia-summit-2017-tokyo-call-for-proposals-is-open/
講演募集の締切は8/14(月)で、日本語でも講演は可能です。
セキュリティに関してのトピックは
- FLOSS Security 
- Access/Integrity control (e.g., AppArmor, IMA, Audit) 
- Cryptography 
- Vulnerability management 
となってます。御応募を是非お願い致します。
セミナー情報
7/27(水)に「OSSセキュリティナイターvol.6」と題して、セキュリティのセミナーを行います。この回では、『SELinuxの現状とLinuxセキュリティ』と題してSELinuxの最新動向から実際の効果を、デモを交えて説明致します。
今回も、前回に引き続き、ゲスト講師をお招きし講演をいただきます。
https://connpass.com/event/61395/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。
