こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/02/2017にAnsible の脆弱性情報(CVE-2018-10855, CVE-2018-10874)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-10855
失敗したタスクに対してログにセンシティブな情報が晒される可能性
重要度 – Moderate
影響範囲 – Ansible (2.5.5/2.4.5以前)
Ansible 2.5.5/2.4.5以前では、失敗したタスクに対して“no_log”フラグを守っていませんでした。”no_log”フラグが使われていれば、タスクが成功していなくても、センシティブなタスクの情報はログに渡らずに保護されるはずです。AnsibleがAnsibleを実行しているターミナルとログファイル中にセンシティブなデータを晒してしまいます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-10874
ansibleで”ad-hoc”コマンドが使える攻撃者による任意のコマンド実行の可能性
重要度 – Moderate
影響範囲 – Ansible Tower ( before 3.2.4 )
ansibleでad-hocコマンド”が実行された際にinventory変数が現在のワーキングディレクトリからロードされるという問題が見つかりました。これを利用して、攻撃者がad-hocコマンドを使うと任意のコードを実行することができる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2018-10855.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2018-10874.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
[参考]
https://www.ansible.com/security
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
セミナー情報
2018年07月13日 (金) 19:00から、「OSSセキュリティ技術の会 第三回勉強会 (副題:”Keycloak”で、”認証王”に!!!おれはなるっ!!!!)」 と題しまして、OSS認証基盤のKeycloakに特化した話をさせて頂きます。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/90917/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。