Apache 2.4.25のリリースと複数の脆弱性情報(CVE-2016-0736 , CVE-2016-2161 , CVE-2016-5387 , CVE-2016-8740 , CVE-2016-8743 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
12/21に、Apache 2.4.25がリリースされました。このバージョンでは、複数の脆弱性 ( CVE-2016-0736 , CVE-2016-2161 , CVE-2016-5387 , CVE-2016-8740 , CVE-2016-8743 )が修正されています。今回は、これらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVEと変更点(詳細は一次情報源のサイトをご確認ください)
CVE ID | コンポーネント | 情報 |
---|---|---|
CVE-2016-0736 | mod_session_crypto | パディングオラクル攻撃による解読や改竄を、セッションデータ/クッキーをMAC(SipHash)で認証することで防止します。 |
CVE-2016-2161 | mod_auth_digest | 共有メモリ領域が枯渇している時に、クライアントエントリーを割り当てる際にSegfaultが発生してしまうことを防止します。 |
CVE-2016-5387 | core | CGIでの、いわゆる「httpoxy」問題を和らげます。 |
CVE-2016-8740 | mod_http2 | エンドレスのフレームによるメモリ枯渇(DoS)を和らげます。 |
CVE-2016-8743 | 悪意のあるクライアントやプロキシによる”Cache Polution”を防止するために、request linesとrequest headersはRFC7230に従うように強制します。 |
主なディストリビューションの脆弱性情報・アップデート情報
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2016-0736
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2016-2161
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2016-5387
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-0736
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-2161
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-5387
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-0736.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-2161.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-5387.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-8740.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-8743.html
SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-0736
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-2161
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-5387
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。