Apache httpd に複数の脆弱性 ( CVE-2017-9788, CVE-2017-9789 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
07/11に、Apacheに複数の脆弱性(CVE-2017-9788, CVE-2017-9789 )と新しいバージョン(Apache httpd 2.4.27)が公開されました。今回は、これらの脆弱性の簡単な説明と各ディストリビューションの対応状況をまとめてみます。
Priority
Important
影響するバージョン
httpd 2.2.33/2.4.26以前のバージョン
修正方法
一次情報源と各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細は一次情報源のサイトをご確認ください)
- http://httpd.apache.org/security/vulnerabilities_24.html
CVE-2017-9788
mod_auth_digestでの情報流出やDoSの可能性
2.2.33以前と2.4.26以前のバージョンで、HTTP Authorizationヘッダの[Proxy-]Authorization: ‘Digest’タイプが、mod_auth_digestによりkey=valueが連結されている際に初期化/リセットされていませんでした。これにより、機密情報の漏洩や、DoS(Segfault)が引き起こされる可能性が有ります。
CVE-2017-9789
mod_http2.cでのRead after free(解放済みメモリの読み込み)の可能性
2.4.26以前のバージョンで、HTTP/2で負荷をかけてる際に、多くのコネクションをクローズすると、HTTP/2のハンドリングコードが解放済みメモリにアクセスする時があり、これによりRead after free(解放済みメモリの読み込み)の可能性が有ります。
主なディストリビューションの脆弱性情報・アップデート情報
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-9788.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-9789.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生する場合には、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
講演内容募集案内
2017年10月21日-22日まで開催されるopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの講演内容募集(CFP)が始まりました。
https://news.opensuse.org/2017/07/07/opensuse-asia-summit-2017-tokyo-call-for-proposals-is-open/
講演募集の締切は8/14(月)で、日本語でも講演は可能です。
セキュリティに関してのトピックは
FLOSS Security
Access/Integrity control (e.g., AppArmor, IMA, Audit)
Cryptography
Vulnerability management
となってます。御応募を是非お願い致します。
セミナー情報
7/27(水)に「OSSセキュリティナイターvol.6」と題して、セキュリティのセミナーを行います。この回では、『SELinuxの現状とLinuxセキュリティ』と題してSELinuxの最新動向から実際の効果を、デモを交えて説明致します。
今回も、前回に引き続き、ゲスト講師をお招きし講演をいただきます。
https://connpass.com/event/61395/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。