bind に複数の脆弱性 ( CVE-2016-9131 , CVE-2016-9147 , CVE-2016-9444 , CVE-2016-9778 )
情報は逐次更新します。
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
01/12/2017に、BINDに関して複数の脆弱性情報 ( CVE-2016-9131 , CVE-2016-9147 , CVE-2016-9444 , CVE-2016-9778 )が出ています。今回は、これらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
BIND 9 Security Vulnerability Matrix
CVE番号 | 影響するバージョン | プライオリティ | 攻撃 |
---|---|---|---|
CVE-2016-9131 | 9.9.9-P4, 9.9.9-S6, 9.10.4-P4, 9.11.0-P1 | High | リモート |
CVE-2016-9147 | 9.4.0 -> 9.6-ESV-R11-W1, 9.8.5 -> 9.8.8, 9.9.3 -> 9.9.9-P4, 9.9.9-S1 -> 9.9.9-S6, 9.10.0 -> 9.10.4-P4, 9.11.0 -> 9.11.0-P1 | High | リモート |
CVE-2016-9444 | 9.6-ESV-R9 ->9.6-ESV-R11-W1, 9.8.5 -> 9.8.8, 9.9.3 -> 9.9.9-P4, 9.9.9-S1 -> 9.9.9-S6, 9.10.0 -> 9.10.4-P4, 9.11.0 -> 9.11.0-P1 | High | リモート |
CVE-2016-9778 | 9.9.8-S1 -> 9.9.8-S3, 9.9.9-S1 -> 9.9.9-S6, 9.11.0-9.11.0 -> P1 | High(設定に依存) | リモート |
Priority
High
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2016-9131
任意のクエリに対しての不正な形式のレスポンスによるrecursiveのassertion failureの可能性
重要度 – High
RTYPEのクエリにおける不正な形式のクエリレスポンスをrecursiveサーバが受け取ることにより、namedがRRsをキャッシュ中のクエリレスポンスに付け加えている際にassertion failureが発生する可能性が有ります。
- CVE-2016-9147
矛盾したDNSSEC情報を含むクエリレスポンスのエラーハンドリングによるassertion failureの可能性
重要度 – High
クエリのタイプと受け取ったクエリ中のEDNSオプションに依存して、DNSSECが有効になった権威サーバがRRSIGと他のRRsetをrecursiveサーバのレスポンス中に含まれることを期待しますが、DNSSECに関連したRRsetが他のRRsetと矛盾する情報を含んでいる時にassertion failureが発生する可能性が有ります。
- CVE-2016-9444
異常な形式のDSレコードレスポンスによるassertion failureの可能性
重要度 – High
DSリソースレコードに含まれた異常な形式の回答がassertion failureを引き起こす可能性が有ります。
- CVE-2016-9778
nxdomain-redirect機能を用いた幾つかのクエリのエラーハンドリングによるdb.c中のassertion failure
重要度 – High
サーバがnxdomain-redirect機能を使っている時に、幾つかのクエリのエラーハンドリングがassertion failureを引き起こす可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2016-9131
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2016-9147
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-9131
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-9147
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-9131.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-9147.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-9444.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-9778.html
openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-9131
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-9147
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。