こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/17/2020にcryptsetupの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-14382)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-14382 | Linux kernel < 5.7.7 | Bug 1874712 (CVE-2020-14382) – CVE-2020-14382 cryptsetup: Out-of-bounds write when validating segments | RedHat: 5.3 Moderate | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:L/I:L/A:L |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14382
- DoSの可能性
- cryptsetup-2.2.0に脆弱性がありました。LUKS2コンテナで全てのデバイス/イメージに対して呼び出されるLUKS2フォーマット検証コードにバグがありました。バグは’lib/luks2/luks2_json_metadata.c’中のhdr_validate_segments(struct crypt_device *cd, json_object *hdr_jobj)関数というセグメントの有効検証コードにあり、コード中でメモリアロケーションのオーバーフローに対してのチェック(“intervals = malloc(first_backup * sizeof(*intervals));”)に問題がありました。このバグにより、ライブラリは本来のメモリよりも少ないアロケーションを行うことが出来るようになります。これにより攻撃者の細工したイメージからデータを読み込み、その様なデータをアロケーションされたメモリを超えて書き込むことができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2020併設のワークショップ、 OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2020の企画講演セッション及び、 一般論文セッションの発表募集をさせていただきます。
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