こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/11/2019にcurlの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-5481, CVE-2019-5482)が公開されています。こちらではこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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curlの脆弱性情報(Medium: CVE-2018-16890, High: CVE-2019-3822, Low: CVE-2019-3823)
curlの複数の脆弱性情報(Low: CVE-2018-16839, CVE-2018-16840, CVE-2018-16842)
curlに複数の脆弱性(CVE-2018-1000300, CVE-2018-1000301)
curlの複数の脆弱性(CVE-2018-1000120, CVE-2018-1000121, CVE-2018-1000122) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
curlに複数の脆弱性(CVE-2017-8816, CVE-2017-8817, CVE-2017-8818) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Priority
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2019-5481 | 7.52.0<=libcurl<=7.65.3 | Vendor: 6.3 Medium | |
CVE-2019-5482 | 7.19.4<=libcurl<=7.65.3 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-5481
- FTP-KRBの二重解放
- libcurlはCURLOPT_KRBLEVELオプションを用いることでFTPを通してkerberosを使ってサーバと会話することが出来ます。
そのようなkerberos FTPデータ転送の間は、サーバはcurlにデータを最初に32bitサイズのブロックで送り、その後残りのデータが続く形で送ります。
悪意のある、または壊れているサーバは大きいブロックを送る事ができ、それによりcurlはrealloc()に失敗してメモリの二重解放を行ってしまいます。
実際には、最新の64bitシステムでは4GBのメモリエリアを割り当てても大丈夫ですが、32bitシステムでは失敗します。
Kerbers FTPはcurlでは非常に稀な使われ方です。また、Kerneros認証は通常クライアントが以前に関連付けられたサーバに対してのみ行われます。
現段階では、この脆弱性を利用したエクスプロイトは観測されていません。
- 緩和策:以下の何れかを行って下さい。
- curlのバージョンを7.66.0にアップデートしてください。
- こちらの修正箇所を修正してパッケージをリビルドして下さい。
- CURLOPT_KRBLEVELオプションを使用しないで下さい。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-5482
- TFTPスモールブロックサイズのヒープオーバーフロー
- libcurlのTFTPサーバからデータを受け取る際に使用されるtftp_receive_packet()関数中にヒープバッファーオーバーフローの問題があります。
この問題は以前のCVE-2019-5436の修正が不完全だったためです。
- 緩和策:以下の何れかを行って下さい。
- curlのバージョンを7.66.0にアップデートしてください。
- こちらの修正箇所を修正してパッケージをリビルドして下さい。
- CURLOPT_KRBLEVELオプションを使用しないで下さい。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-5481.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-5482.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
対処は各ディストリビューションの情報に従ってください。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
2019/09/30(月) 19:00-21:00に「OSSセキュリティ技術の会 第六回勉強会(副題:大紅帽八連制覇の巻)」と題しまして、Red Hat Enterprise Linux 8のセキュリティに特化した話をさせて頂きます。
また、先日サンディエゴで開催されましたLinux Security Summit 2019の情報共有も行う予定です。
プログラム内容と申し込みの詳細につきましては、https://secureoss-sig.connpass.com/event/145125/をご覧下さい。
皆様の申込みをお待ちしております。
セミナー情報2
Red Hat Enterprise Linux 8 が発表され、今後のクラウドネイティブアプリケーションの基盤としてなくてはならないOSになると言われています。この重要なRHEL8を技術的に深堀りして、得た知見を共有するための場を用意したいと考え、「令和初のRHELを技術的に深堀りしましょう」としてイベントを行います。
前半はビジネス向けのTipsセミナーを行い、後半はネットワーキングとより深堀りしたディープな技術セッションを飲みながら会話をしながらお楽しみ頂けたらと考えております。
今後、このイベントはオープンにコミュニティーとして運用を行う予定です。 ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。
こちらから申し込みが可能です。今後、このイベントはオープンにコミュニティーとして運用を行う予定です。 ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。
セミナー情報3
コンピュータセキュリティシンポジウム2019(長崎)が2019年10月21日(月) ~ 10月24日(木)で開催されます。
こちらですが、OSSセキュリティ技術の会も後援になっており、オープンソースソフトウェア(OSS)セキュリティ技術トラック(略称:OWSトラック) も用意しております。