ISC-DHCPの脆弱性 ( CVE-2017-3144 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
01/17/2018に、ISC-DHCPに関しての脆弱性情報 ( CVE-2017-3144 )が出ています。今回は、こちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | プライオリティ | 攻撃 |
---|---|---|---|
CVE-2017-3144 | 4.1.0 to 4.1-ESV-R15, 4.2.0 to 4.2.8, 4.3.0 to 4.3.6 | Medium | リモート(攻撃者がサーバのOMAPIコントロールポートにアクセスできる場合) |
Priority
Medium
CVSS
CVSS Score: 5.3
CVSS Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-3144
OMAPI接続のクリーンアップ不全によるソケット枯渇
重要度 – Medium
ISC-DHCPでは、OMAPI接続をクローズした際のクリーンアップが完全でなかったため、問題のあるDHCPサーバで利用可能なソケットディスクリプタが枯渇する可能性が有ります。コレを利用して、内部のエクスプロイト攻撃で攻撃者(サーバにOMAPI接続が出来るのが前提となります)がDHCPサーバのソケットディスクリプタを枯渇させることが出来ます。
利用可能なソケットディスクリプタが無くなった場合、サーバが接続を受けられなくなるためサーバ管理者がサーバに接続できなくなる可能性が有ります。
バージョンに関する精細は各ディストリビューターの情報を参考にしてください。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-3144.html
openSUSE
OracleLinux
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
ISC-DHCP 9 Security Vulnerability Matrix
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
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OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
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