Dockerの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-13139)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

03/27/2019に、Dockerの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-13139)が公開されていました。遅くなりましたが、今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

  • CVE-2019-13139

    • SuSE
      • Moderate
      • CVSS v3 Base Score: 6.7
      • Vector: AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
    • Red Hat Customer Potal
      • Moderate
      • CVSS v3 Base Score: 6.7
      • Vector: CVSS:3.0/AV:A/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
    • NVD

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-13139
    • ‘docker build’コマンドに対するコマンドインジェクションの可能性
    • 重要度 – Moderate
    • ‘docker build’コマンドに対するコマンドインジェクションの脆弱性が見つかりました。特別に細工されたパスの引数をコンテナをビルドする際に渡すと、’git fetch’/’git checkout’に対してコマンドインジェクションを行うことが可能になり、Dockerを稼働させているユーザの権限でコマンドが実行されます。ローカルの’docker build’を実行できる攻撃者、或いはリモートのdocker build pathを操作できる攻撃者はこれを悪用してコードを実行したり権限を昇格することが出来ます。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


セキュリティ系連載案内


セミナー情報1

コンピュータセキュリティシンポジウム2019(長崎)が2019年10月21日(月) ~ 10月24日(木)で開催されます。

こちらですが、OSSセキュリティ技術の会も後援になっており、オープンソースソフトウェア(OSS)セキュリティ技術トラック(略称:OWSトラック) も用意しております。

セミナー情報2

“distro info”: vol.1 と題しまして、各種ディストリビューションの情報を関係者から直接お届けするイベント「distro info」が開催されます。

今回は、先日リリースされたDebian10について、Debianの概要から含めての説明〜Debian10での特徴の紹介をします。ざっくり概要を把握されたい方から、発表者に確認の質問をしてみたい方までどうぞご参加下さい。

また、先月末にブラジルでDebian Conferenceが行われましたのでその紹介を行います。「Debianのカンファレンスってこんなのなんだな」というのを現地エピソードなど交えてお話します。


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