eximの複数の脆弱性(CVE-2017-16943, CVE-2017-16944)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/24/2017にeximの複数の脆弱性情報(CVE-2017-16943, CVE-2017-16944)が公開されました。Critical/Importantの脆弱性ですので、今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Critical/Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16943
リモートの攻撃者による任意のコードを実行の脆弱性
重要度 – Critical
対象バージョン:eximの4.88/4.89 (4.88より前には問題なし)
exim 4.88/4.89のSMTPデーモン中のreceive.cファイルでreceive_msg()関数に問題があり、SMTPプロトコルのBDATコマンドを使用してリモートの攻撃者が任意のコードを実行したり、DoS(use-after-free)を引き起こす事ができる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16944
リモートの攻撃者によるDoS(無限ループとStackの使い果たし)の可能性
重要度 – Important
対象バージョン:eximの4.88/4.894.88より前には問題なし
exim 4.88/4.89のSMTPデーモン中のreceive.cファイルでreceive_msg()関数に問題があり、bdat_getc()関数に関係するSMTPプロトコルのBDATコマンドでの正しくない’.’キャラクタのチェックを使用して、リモートの攻撃者がDoS(無限ループとStackの使い果たし)を引き起こす事ができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-16943.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-16944.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://bugs.exim.org/show_bug.cgi?id=2199
https://bugs.exim.org/show_bug.cgi?id=2201
セミナー情報
2017/11/29 19:00に、OSSセキュリティ技術の会 第二回勉強会を行います。
今回のテーマは新世代のOSS認証基盤です。
https://connpass.com/event/69314/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。
セキュリティ系連載案内
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OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
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