こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
11/22/2018に、gitに関しての脆弱性情報 (Important: CVE-2018-19486 )と更新バージョン (Git 2.19.2)が出ています。今回は、この脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
run-command: mark path lookup errors with ENOENT
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19486
Priority
- CVE-2018-19486
Important
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 4.8
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:R/S:U/C:L/I:L/A:L
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2018-19486
- カレントディレクトリからのコマンド実行の可能性
- 重要度 – Moderate
- gitのcommit e3a434468f(run-command: 2017-04-19 execvpの代わりにasync-signal-safe execvを使う)以降では、prepare_cmd()が自身のPATH検索を任意のコマンドに対して行っていました。しかしながら、古いexecvpがPATHにマッチするエントリを見つけられなかった際の処理に論理的な問題があり、execvpではENOENTエラーだとされていた所がexecvではそうならなかったため、PATHの最後に”.”が含まれるまでディレクトリ名を渡し続けていました。これにより、run-command()APIとrun-command.cを含む特定のケースでは、カレントディレクトリからコマンドが実行される可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
[参考]
run-command: mark path lookup errors with ENOENT
https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19486
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。