こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/27/2018にglibcの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-20796)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[関連リンク(最新5件)]
glibcの脆弱性情報(Low: CVE-2019-7309)
glibcの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-19591)
glibcの脆弱性(CVE-2018-6551) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Priority
- CVE-2018-20796
Moderate
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 4
- Vector: AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 5.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
- NVD
- CVSS v3 Base Score: 7.5 High
- Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
CVSS Severity (version 2.0):
- CVSS v2 Base Score: 5.0 Medium
- Vector: (AV:N/AC:L/Au:N/C:N/I:N/A:P)
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-20796
- CWE-674: 不適切な再帰制御
- 重要度 – Moderate
- 2.29より前のglibcでは、posix/regexec.c中のcheck_dst_limits_calc_pos_1に不適切な再帰制御が存在し、Segmentation Faultを引き起こすことがあります。
- PoC
下記のように、”echo 0 | sed ‘/\(\)\(\1\(\)\1^C\)\)*/c0′”を実行すると、Segmentation Faultを引き起こします。
[sios@localhost ~]$ echo 0 | sed '/\(\)\(\1\(\)\1\(\)\)*/c0' Segmentation fault (コアダンプ)
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。