こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/02/2020にglibcの脆弱性情報(CVE-2020-6096)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
Bug 25620 (CVE-2020-6096) – Signed comparison vulnerability in the ARMv7 memcpy() (CVE-2020-6096)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-6096 | GNU glibc 2.30.9000 | Red Hat: 7.4 Moderate NVD: 9.8 Critical | Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:H/A:H NVD: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
詳しくは、各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-6096
- kube-apiserverに対するDoSの可能性
- エクスプロイト可能な脆弱性がGNU glibc 2.30.9000でのARMv7 memcpy()実装に見つかりました。GNU glibc実装でARMv7をターゲットとした場合に、memcpy()で’num’パラメータに対して負の値で呼び出しを行った際に問題が発生します。攻撃者がmemcpy()で’num’パラメータのアンダーフロー攻撃を行った場合、この脆弱性によりメモリの境界外書き込みが発生し、リモートコード実行が行われる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Bug 25620 (CVE-2020-6096) – Signed comparison vulnerability in the ARMv7 memcpy() (CVE-2020-6096)
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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