こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/14/2018にgVisorの脆弱性情報(CVE-2018-19333)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-19333
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- Privilege Escalation in gVisor, Google’s Container Sandbox (https://justi.cz/security/2018/11/14/gvisor-lpe.html)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-19333
- 特権昇格の可能性
- GoogleのサンドボックスコンテナであるgVisorに特権昇格の脆弱性が見つかりました。2018-11-01より前のgVisorの共有メモリの実装(pkg/sentry/kernel/shm/shm.go)に問題があり、他のメモリへの読み込み・書き込みを許可されているサンドボックス中の非特権プロセスは、IPC_RMID shmctlのようなものを通じて、サンドボックス中でrootのような特権を持つことが可能になります。ただし、この脆弱性を用いてサンドボックスを抜けることは出来ません。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。