Oracle Javaの脆弱性(CVE-2016-5542, CVE-2016-5554, CVE-2016-5582, CVE-2016-5597, CVE-2016-5573)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
10/18/2016に四半期定例のOracle 製品の脆弱性が公開されました。この中でのJavaに関するアップデートがopenjdkに反映されて01/13/2017にリリースされましたので、今回はこのJavaの脆弱性と各ディストリビューションの対応状況について簡単にまとめてみます。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2016-5542
OpenJDKのライブラリコンポーネントがJARの整合性チェックのアルゴリズムを制限していなかったため、弱いキーやアルゴリズムを使っている場合に攻撃者にJARファイル中のコンテンツを変更される可能性が有ります。
重要度 – Moderate
- CVE-2016-5554
OpenJKDのJMXコンポーネントがclassloaderを扱う際に問題が有り、信頼されていないJavaアプリケーションやアプレットがJavaサンドボックス制限をバイパスする可能性が有ります。
重要度 – Moderate
- CVE-2016-5582
OpenJDKのHotspotコンポーネントが幾つかのケースでSystem.arraycopy()関数の引数チェックを正しく行っていないことがわかりました。これにより、信頼されていなJavaアプリケーションやアプレットがこれを用いて仮想マシンのメモリを破損し、Javaサンドボック制限をバイパスする可能性が有ります。
重要度 – Critical
- CVE-2016-5597
OpenJDKのネットワークコンポーネントがHTTPプロキシ認証を扱う際に問題が見つかりました。これにより、JavaアプリケーションがHTTPSサーバ認証証明書が漏洩してしまう可能性が有ります。
重要度 – Moderate
- CVE-2016-5573
OpenJDKのHotspotコンポーネントがJava Debug Wire Protocol (JDWP) パケットを受け取った際に正しくチェックを行っていないことがわかりました。これにより、攻撃者が外部からJavaプログラムにデバッグコマンドを送信することが出来、情報などを取得される可能性が有ります。
重要度 – Important
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Red Hat Enterprise Linux 5/CentOS 5
Red Hat Enterprise Linux 6/CentOS 6
Red Hat Enterprise Linux 7/CentOS 7
Oracle Linux
Oracle Linux 5
Oracle Linux 6
Oracle Linux 7
SUSE
ubuntu
http://people.canonical.com/%7Eubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-5542.html
http://people.canonical.com/%7Eubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-5554.html
http://people.canonical.com/%7Eubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-5582.html
http://people.canonical.com/%7Eubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-5597.html
http://people.canonical.com/%7Eubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-5573.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を参考にして下さい。
また、javaを使用してサービスを提供している場合には、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。