linux kernelの脆弱性( CVE-2016-7039 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
10/11に、Linux Kernelに関して脆弱性の情報が出ています。今回は、この脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2016-7039
悪意のあるリモートユーザによるkernel panicの可能性
重要度 – Important
802.1Q/802.1ad VLAN(CONFIG_VLAN_8021Q) 又は Virtual eXtensible Local Area Network(CONFIG_VXLAN) を Transparent Ethernet Bridging(TEB) GRO サポートでビルドしたkernelに問題があり、GROパスを通して大きなパケットを受け取った際にスタックオーバーフローが発生する可能性が有ります。これを利用して、悪意のあるリモートの攻撃者は、GROオプションを有効にしている攻撃対象サーバに対してkernel panicを引き起こすことが可能です。
GRO: Generic-Receive-Offload
NICでGROオプションを有効にしているかどうかを確認するには、ethtoolを用いて
[root@rhel7 ~]# ethtool -k eno16777736 |grep generic-receive-offload generic-receive-offload: on
とすることにより確認することが出来ます(Red Hat Enterprise LinuxやDebianのデフォルトでは有効になっています)。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-7039
修正パッケージ
Oracle Linux
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-7039.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
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