linux kernel(KVMを有効にしている場合)で複数の脆弱性( CVE-2016-10150, CVE-2017-2583 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
1/19, 1/20と、linux kernelでKVMを有効にしている場合に関して複数の脆弱性情報 ( CVE-2016-10150, CVE-2017-2583 )が出ています。今回は、これらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1414506
https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1414735
Priority
Important/Medium
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2016-10150
Use-After-Free攻撃によるDoS又はシステムでの権限昇格の可能性
重要度 – Important
バグにより、CONFIG_KVMを有効にしているKernelでioctl(‘/dev/kvm’, …)を使ってデバイスを作成している際にUse-After-Free攻撃を行われる可能性が有ります。
- CVE-2017-2583
DoS又はゲストOS内での権限昇格の可能性
重要度 – Medium
CONFIG_KVMを有効にしているKernelでlongモードで値をSS(セグメントセレクタ)レジスタにロードしている際に、不正なセグメントセレクタ値による脆弱性が発見されました。Intel CPUの場合はDoSが可能です。AMD CPUの場合にはゲストOS内での権限昇格の可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-10150.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-2583.html
openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。