linux kernelの脆弱性( CVE-2017-6353 , CVE-2017-5986 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/27/2017にkernelの脆弱性情報(CVE-2017-6353 , CVE-2017-5986)が公開されていました。少し遅くなりましたが、今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate/Medium
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-5986
ローカルユーザによるサービス不能攻撃の可能性
重要度 – Moderate/Medium
4.9.11までのlinux kernelでdriverctp/socket.c中のsctp_wait_for_sndbuf()関数にバグが有りました。これにより、ローカルユーザによるDoS(assertion failureとpanic)などが発生する可能性が有ります。
- CVE-2017-6353
ローカルユーザによるサービス不能攻撃の可能性
重要度 – Moderate/Medium
4.10.1までのlinux kernelでnet/sctp/socket.c中で、特定の待ち状態で適切に関連付けをpeel-off(取り除く)する処理を行っていませんでした。これにより、ローカルユーザによるDoS(不正なunlockと二重開放)などが発生する可能性が有ります。これは、CVE-2017-5986での修正に不足があったことに起因する問題です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-5986.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6353.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。