linux kernelの脆弱性( CVE-2017-7286, CVE-2017-7319 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/10/2017にUbuntuのkernelに脆弱性の情報(CVE-2017-7286, CVE-2017-7319)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
このCVEと脆弱性情報は理由が有り撤回されています。以下のリンク先にも情報が有ります。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-7286
ローカルユーザによる特権取得の可能性
重要度 – Important
Ubuntu 14.04LTSの3.16.0-28カーネルには/dev/zeroへのmmapシステムコールの扱いにミスが有り、悪意のあるローカルユーザが”inode integer overflow”と呼ばれる攻撃により特権でのアクセスを取得出来る可能性が有ります。
- CVE-2017-7319
ローカルユーザによるプロセス停止の可能性
重要度 – Important
Ubuntu 14.04LTSの3.16.0-28カーネルには、任意のユーザがSIGIOシグナルを任意のプロセスに送ることが出来る脆弱性が有ります。これにより、プロセスがシグナルを無視できない場合には、プロセスがkillされます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7286.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7319.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7286
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7319
セミナー情報
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この回では、『PostgreSQLデータベースのセキュリティを考える 』と題してPostgreSQLのセキュリティを中心にセミナーを開催します。
今回も、前回に引き続き、ゲスト講師をお招きし講演をいただきます。
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