linux kernelの脆弱性( CVE-2017-9242 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/27/2017にkernelの脆弱性情報(CVE-2017-9242)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-9242
ローカルユーザによるDoS(システムクラッシュ)の可能性
4.11.3までのlinux kernelで、net/ipv6/ip6_output.c ファイル中の__ip6_append_data()関数はskbデータ構造を上書きする可能性があるかどうかのチェックが遅すぎる問題がありました。これにより、ローカルユーザが細工されたシステムコールにより、DoS(システムクラッシュ)を引き起こす事ができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-9242
セミナー情報
5/31-6/2に行われる「Open Source Summit Japan 2017」の中で、本ブログの執筆者である面 和毅が講演を行います。
6/1 11:50-12:30に行われる「OSS CVE Trends」というセッションで講演を行いますので、参加される方は是非お立ち寄り下さい。