Linux Kernelの脆弱性(CVE-2017-12762)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
08/11/2017にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2017-12762)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-12762
バッファーオーバーフローの可能性
Linux Kernel 3.18-stable tree/4.4-stable tree/4.9-stable tree/4.12-stable treeではdrivers/isdn/i4l/isdn_net.c中で、ユーザが制御するバッファが定数サイズのローカルバッファにstrcpyでコピーされる際に、長さのチェックが行われていませんでした。これにより、バッファーオーバーフローが発生する可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-12762
講演内容募集案内
2017年10月21日-22日まで開催されるopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの講演内容募集(CFP)が始まりました。
https://news.opensuse.org/2017/07/07/opensuse-asia-summit-2017-tokyo-call-for-proposals-is-open/
講演募集の締切は8/14(月)で、日本語でも講演は可能です。
セキュリティに関してのトピックは
FLOSS Security
Access/Integrity control (e.g., AppArmor, IMA, Audit)
Cryptography
Vulnerability management
となってます。SUSEに関係しない一般的なものでも構いません。御応募を是非お願い致します。
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。