Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2017-12154, CVE-2017-1000252)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/26/2017にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2017-12154, CVE-2017-1000252)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-12154
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-1000252
Priority
Important(CVE-2017-12154), Moderate(CVE-2017-1000252)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-12154
KVMのL2ゲストOSユーザによるCR8レジスタに対する不正な権限取得の可能性
重要度 – Important
4.13.3より前のLinux Kernelで、arch/x86/kvm/vmx.c 中のprepare_vmcs02()関数の問題により、KVM L2ゲストOSユーザはCR8レジスタに対する読み書きのアクセスを取得することが出来ます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-1000252
ゲストOSユーザによるDoSの可能性
重要度 – Moderate
4.13.3より前のLinux Kernelで、 arch/x86/kvm/vmx.c と virt/kvm/eventfd.cに関わるguest_irqの値により領域外アクセスが発生するため、ゲストOSユーザによるDoS(アサーションフェイラーによるハイパーバイザーのハング又はクラッシュ)を引き起こすことができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-12154
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-1000252
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-12154.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-1000252.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-12154
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-1000252
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。