Linux Kernelの脆弱性(CVE-2018-6412)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/31/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2018-6412)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-6412
情報漏えいの可能性
重要度 – Moderate
4.15より前のLinux Kernelでは、drivers/video/fbdev/sbuslib.c中のsbusfb_ioctl_helper()関数で整数符号エラーがあり、結果として、FBIOPUTCMAP_SPARCとFBIOGETCMAP_SPARCコマンドの任意の情報が漏洩する可能性が有ります。
これに関する修正は以下の箇所になります。
diff --git a/drivers/video/fbdev/sbuslib.c b/drivers/video/fbdev/sbuslib.c index af6fc97f4ba4..a436d44f1b7f 100644 --- a/drivers/video/fbdev/sbuslib.c +++ b/drivers/video/fbdev/sbuslib.c @@ -122,7 +122,7 @@ int sbusfb_ioctl_helper(unsigned long cmd, unsigned long arg, unsigned char __user *ured; unsigned char __user *ugreen; unsigned char __user *ublue; - int index, count, i; + unsigned int index, count, i; if (get_user(index, &c-;>index) || __get_user(count, &c-;>count) || @@ -161,7 +161,7 @@ int sbusfb_ioctl_helper(unsigned long cmd, unsigned long arg, unsigned char __user *ugreen; unsigned char __user *ublue; struct fb_cmap *cmap = &info-;>cmap; - int index, count, i; + unsigned int index, count, i; u8 red, green, blue; if (get_user(index, &c-;>index) ||
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2018-6412.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-6412
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
セミナー情報
著者が所属しているOSSセキュリティ技術の会では、02/23/(金)に「3コマ連続 [セキュリティトラック] OSSと脆弱性管理」と題して、OSSの利用と脆弱性管理に関しての、パネルディスカッションを含めたセッションを行います。
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