Linux Kernelに複数の脆弱性(CVE-2017-16911, CVE-2017-16912, CVE-2017-16913, CVE-2017-16914)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/01/2018にLinux Kernelに複数の脆弱性情報(CVE-2017-16911, CVE-2017-16912, CVE-2017-16913, CVE-2017-16914)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v4.x/ChangeLog-4.14.8
https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v4.x/ChangeLog-4.4.114
https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v4.x/ChangeLog-4.9.71
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16911
ローカル攻撃者によるカーネルメモリアドレスの漏洩
重要度 – Moderate
Linux Kernel 4.14.8/4.4.114より前のvhci_hcdドライバに問題があり、ローカルの攻撃者にカーネルメモリのアドレスを晒す事が出来ます。これを成功させるには、IP越しでUSBデバイスをアタッチする必要があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16912
USB over IPパケットによるDoS(境界外読み取り)の可能性
Linux Kernel 4.14.8/4.9.71/4.4.114より前のdrivers/usb/usbip/stub_rx.c中のget_pipe()関数に問題があり、攻撃者による特別に細工されたUSB over IPパケットによって、DOS(境界外読み取り)を引き起こす可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16913
DoSの可能性
Linux Kernel 4.14.8/4.9.71/4.4.114より前のdrivers/usb/usbip/stub_rx.c中のstub_recv_cmd_submit()関数では、CMD_SUBMITパケットを処理する際に問題があり、攻撃者による特別に細工されたUSB over IPパケットによって、DOS(任意のメモリアロケーション)を引き起こす可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16914
DoSの可能性
Linux Kernel 4.14.8/4.9.71/4.4.107より前のdrivers/usb/usbip/stub_tx.c中のstub_send_ret_submit()関数に問題があり、攻撃者による特別に細工されたUSB over IPパケットによって、DOS(NULLポインタディリファレンス)を引き起こす可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-16911
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-16912
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-16911.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-16912.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-16913.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-16914.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v4.x/ChangeLog-4.14.8
https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v4.x/ChangeLog-4.4.114
https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v4.x/ChangeLog-4.9.71
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16911
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16912
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-16913
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