Linux Kernelの脆弱性(CVE-2018-5750)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/21/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2018-5750)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
CVSS Severity (version 3.0):
CVSS v3 Base Score: 5.5 Medium
Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N
CVSS Severity (version 2.0):
CVSS v2 Base Score: 2.1 LOW
Vector: (AV:L/AC:L/Au:N/C:P/I:N/A:N)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-5750
kernelアドレス情報の漏洩の可能性
重要度 – Moderate
4.14.15より前のLinux Kernelでは、drivers/acpi/sbshc.c中のacpi_smbus_hc_add()関数中で出力されるprintkのメッセージ(SBS HC:)中で、kzalloc(sizeof(struct acpi_smb_hc), GFP_KERNEL)でアロケーションしている変数のポインタを(不必要なのに)表示していました。これを用いて、ローカルの攻撃者はdmesgのデータからメモリにロードされているアドレス情報の一部を読み取ることが可能です。
これに関する修正は以下の箇所になります。
> diff --git a/drivers/acpi/sbshc.c b/drivers/acpi/sbshc.c > index 2fa8304171e0..217e1caf58d6 100644 > --- a/drivers/acpi/sbshc.c > +++ b/drivers/acpi/sbshc.c > @@ -275,8 +275,8 @@ static int acpi_smbus_hc_add(struct acpi_device *device) > device->driver_data = hc; > > acpi_ec_add_query_handler(hc->ec, hc->query_bit, NULL, smbus_alarm, hc); > - printk(KERN_INFO PREFIX "SBS HC: EC = 0x%p, offset = 0x%0x, query_bit = 0x%0x\n", > - hc->ec, hc->offset, hc->query_bit); > + dev_info(&device-;>dev, "SBS HC: offset = 0x%0x, query_bit = 0x%0x\n", > + hc->offset, hc->query_bit); > > return 0; > }
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-5750
セミナー情報
著者が所属しているOSSセキュリティ技術の会では、02/23/(金)に「3コマ連続 [セキュリティトラック] OSSと脆弱性管理」と題して、OSSの利用と脆弱性管理に関しての、パネルディスカッションを含めたセッションを行います。
https://www.ospn.jp/osc2018-spring/modules/eguide/event.php?eid=49がプログラム内容の詳細になりますので、是非お申し込み下さい。
セキュリティ系連載案内
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