Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2017-18216, CVE-2017-18218) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2017-18216, CVE-2017-18218)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/06/2017にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2017-18216, CVE-2017-18218)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-18216
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-18218
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-18216
ローカルユーザによるDoS(NULLポインタディリファレンス)の可能性
重要度 – Moderate
4.15より前のLinux Kernelでは、fs/ocfs2/cluster/nodemanager.cで必要とされるmutexが使われていないため、ローカルのユーザによるDoS(NULLポインタディリファレンス)を引き起こすことが可能です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-18218
ローカルユーザによるDoS(use-after-freeとBUG)の可能性
重要度 – Moderate
4.13より前のLinux Kernelでは、drivers/net/ethernet/hisilicon/hns/hns_enet.c中で、hns_nic_net_xmit.とhns_nic_net_xmit_hw間のskbの取扱に問題があり、ローカルのユーザがDoS(use-after-freeとBUG)を引き起こすことが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-18216.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-18218.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-18216
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-18218
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。