Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2018-1092, CVE-2018-1093, CVE-2018-1094, CVE-2018-1095) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Linux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2018-1092, CVE-2018-1093, CVE-2018-1094, CVE-2018-1095)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/31/2018にLinux Kernelに複数の脆弱性情報(CVE-2018-1092, CVE-2018-1093, CVE-2018-1094, CVE-2018-1095)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
Priority
Moderate(CVE-2018-1092)/Low(Others)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1092
攻撃者によるDoS(ext4_process_freed_dataのNULLポインタ非参照とOOPS)の可能性
重要度 – Moderate
Linux Kernel 4.15.15までのfs/ext4/inode.c中のext4_iget()関数はi_links_countがゼロの時のrootディレクトリをきちんと扱うことが出来ません。これを利用して、攻撃者による細工されたext4イメージを用いてDoS(ext4_process_freed_dataのNULLポインタ非参照とOOPS)を引き起こす事が出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1093
DoS(境界外読み取りとシステムクラッシュ)の可能性
重要度 – Low
Linux Kernel 4.15.15までのfs/ext4/balloc.c中のext4_valid_block_bitmap()関数でbitmapブロック数の確認がされていなかったため、細工されたext4イメージによりDoS(境界外読み取りとシステムクラッシュ)を引き起こされる可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1094
DoS(ext4_xattr_inode_hashのNULLポインタ非参照とシステムクラッシュ)の可能性
重要度 – Low
Linux Kernel 4.15.15までのfs/ext4/super.c中のext4_fill_super()関数でcrc32cチェックサムドライバの初期化が行われ無い場合があった為、細工されたext4イメージによりDoS(ext4_xattr_inode_hashのNULLポインタ非参照とシステムクラッシュ)を引き起こされる可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1095
DoS(get_aclのNULLポインタ非参照とシステムクラッシュ)の可能性
重要度 – Low
Linux Kernel 4.15.15までのfs/ext4/xattr.c中のext4_xattr_check_entries()関数でxattrのサイズを完全にはチェックしていなかった為、細工されたext4イメージによりDoS(get_aclのNULLポインタ非参照とシステムクラッシュ)を引き起こされる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-1092
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-1093
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-1092
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-1093
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1092.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1093.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1094.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1095.html
SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-1092.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-1093.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1092
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1093
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1094
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1095
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