こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。10/31/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(Medium: CVE-2018-7757)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。10/31/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(Medium: CVE-2018-7757)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2018-7757
Medium/Moderate
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 5.5
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 5.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
CVSS Severity (version 3.0):
- CVSS v3 Base Score: 5.5 Medium
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
CVSS Severity (version 2.0):
- CVSS v2 Base Score: 2.1 LOW
- Vector: (AV:L/AC:L/Au:N/C:N/I:N/A:P)
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/commit/?id=4a491b1ab11ca0556d2fda1ff1301e862a2d44c4
- DoS(メモリ消費)の可能性
- 重要度 – Moderate
- 4.15.7までのLinux Kernelでは、drivers/scsi/libsas/sas_expander.c中のsas_smp_get_phy_events()関数にメモリリークの問題があり、ローカルユーザが/sys/class/sas_phyに対して沢山のreadアクセスを行うことでDoS(メモリ消費)を引き起こす事が出来る可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-7757 - Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-7757 - Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-7757.html - SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-7757.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 2
2018/11/14 17:00に、「NGINX MeetUp Tokyo #1」を行います。
今回はNGINX .conf 2018 現地参加者より最新情報を共有させて頂きます。
https://nginx-mj.connpass.com/event/103617/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。