こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/10/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-3887)が公開されていました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3882)
Linux Kernelの脆弱性情報(High: CVE-2019-10124, Critical: CVE-2019-10125)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3874)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-7221, Low: CVE-2019-7222)
Priority
- CVE-2019-3887
Important
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 6.7
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:H/UI:N/S:C/C:L/I:L/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-3887
- DoSの可能性
- 重要度 – Important
- 4.16以降のバージョンのLinux Kernelに、KVMハイパーバイザーがネスト(nested=1)の仮想化が有効になっている状態でx2APIC Machine Specific Register(MSR)アクセスを扱う際に問題が見つかりました。この問題により、’virtualize x2APIC mode’ が有効になっている場合には、L1ゲストがL2ゲストを通してL0のAPICレジスタ値にアクセスすることが可能です。ゲストはこの脆弱性を利用してホストOSのKernelをクラッシュさせる事によるDoSを引き起こすことが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。