こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/23/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3901)が公開されていました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-3837)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-3887)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3882)
Linux Kernelの脆弱性情報(High: CVE-2019-10124, Critical: CVE-2019-10125)
Priority
- CVE-2019-3901
Moderate
- SuSE
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 5.6
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
- NVD
- CVSS v3 Base Score: 5.5 Medium
- Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- CVSS Severity (version 2.0):
- CVSS v2 Base Score: 4.9 Medium
- Vector: (AV:L/AC:L/Au:N/C:N/I:N/A:C)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-3901
- 情報漏えいの可能性
- 重要度 – Moderate
- perf_event_open()の競合状態により、setuidされたプログラムから情報が漏洩する可能性が有ります。ptrace_may_access()呼び出し中に関連するlock(例えばcred_guard_mutex)が保持されず、特定のターゲットタスクがperf_event_alloc()が実際に行われる前にexecve()システムコールをsetuidを用いて実行された場合、攻撃者はptrace_may_accesss()のチェックをバイパスすることが出来、perf_event_exit_task(current)は特権状態のexecve()コール中でinstall_exec_creds()を実行してしまいます。この問題は、4.8より前のLinux Kernelに影響があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
2019/07/31 10:00-17:00で開催される、一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)様による有料ハンズオンセミナー「ハンズオンで学ぶ!クラウド時代の運用管理とセキュリティ対策 」にて当ブログの筆者「面 和毅」が講師を努めます。
本セミナーでは、大手ベンダーや外資系企業、ユーザー企業などでセキュリティの専門家として20年以上の経験を持ち、現在、セキュリティエバンジェリストとして活躍する講師が実体験を交えながら、クラウド上のサーバーを安価に守る方法を、演習をまじえ、具体的にお伝えします。
https://juasseminar.jp/seminars/view/4119290にて申し込みを行っております。奮ってご参加ください。
セミナー情報2
2019/05/30 18:00-22:00で、「「やってはイケナイ」をやってみよう」セミナーを行います。
このセミナーでは、実際に色々な「やってはイケナイ」をデモを交えて行い、実際にどのような問題が発生するのかを確認し、その様な万が一の場合を防ぐために行っておくべき対策を紹介していきます。
https://sios.connpass.com/event/129136/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。