Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3901)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

04/23/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3901)が公開されていました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

  • CVE-2019-3901

    Moderate

    • SuSE
  • Red Hat Customer Potal
    • CVSS v3 Base Score: 5.6
    • Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N
  • NVD
    • CVSS v3 Base Score: 5.5 Medium
    • Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
  • CVSS Severity (version 2.0):
    • CVSS v2 Base Score: 4.9 Medium
    • Vector: (AV:L/AC:L/Au:N/C:N/I:N/A:C)

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-3901
    • 情報漏えいの可能性
    • 重要度 – Moderate
    • perf_event_open()の競合状態により、setuidされたプログラムから情報が漏洩する可能性が有ります。ptrace_may_access()呼び出し中に関連するlock(例えばcred_guard_mutex)が保持されず、特定のターゲットタスクがperf_event_alloc()が実際に行われる前にexecve()システムコールをsetuidを用いて実行された場合、攻撃者はptrace_may_accesss()のチェックをバイパスすることが出来、perf_event_exit_task(current)は特権状態のexecve()コール中でinstall_exec_creds()を実行してしまいます。この問題は、4.8より前のLinux Kernelに影響があります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


セキュリティ系連載案内


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