こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/22/2020にLinux Kernelのfbconでslab境界外読み込みの脆弱性(CVE-2020-28974)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelのfbconでのバッファ境界外読み込みの脆弱性(Moderate: CVE-2020-28915)
Linux Kernelのvt(virtual console)での脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-25668)
Linux Kernelのbpfでの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-27194)
Linux KernelのGENEVEトンネルでの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-25645)
Linux Kernelのoverlayfsに関しての脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-16120)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-1414)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-28974 | Linux Kernel <= 5.9.7 | Linux kernel slab-out-of-bounds Read in fbcon | SuSE: Moderate |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-28974
- fbconでのbuffer over-readの問題
- 5.9.7より前のLinux Kernelでは、drivers/tty/vt/vt.c 中のKD_FONT_OP_COPYでfbconのslab境界外読み込みの問題があり、ローカルの攻撃者が特権情報を読んだりKernelをクラッシュさせることができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。