KVMの脆弱性(CVE-2017-1000407)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
12/02/2017にKVMの脆弱性情報(CVE-2017-1000407)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-1000407
ゲストOSによるDoSの可能性
重要度 – Moderate
CONFIG_KVMオプションが有効になったLinux Kernelで、Intelプロセッサファミリをサポートしている(CONFIG_KVM_INTELが有効になっている)ものでは、ゲストOSがI/Oポート0x80にwrite要求を過剰に行うことで、ホストOSにDoS攻撃を仕掛ける事が可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-1000407
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、ホストOSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.spinics.net/lists/kvm/msg159809.html
セミナー情報
12/13/(水)に「OSSセキュリティナイターvol.7」と題して、セキュリティのセミナーを行います。この回では、『IoTセキュリティの今/世界のLinux Securityの今 』と題してIoTセキュリティの著名な方、またLinux Securityの著名な方を講師としてお招きし、IoTセキュリティの話と、世界のLinux Securityの最新動向を御講演頂きます。
https://connpass.com/event/72983がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。